武術太極拳とは!?


太極拳は中国の古い歴史の中から生まれた武術であり、健康法であるが、日本をはじめ世界各地で
新しい価値(健康・競技)を持つスポーツとして、発表会などの小さなものから世界大会などの大きな競技会まで
開催され幅広く親しまれ、普及が進んでいます。
ここでは武術太極拳(中国武術)について簡単に紹介させていただきます。


武術太極拳

中国武術には現在でも約200~300種類の種目(流派)が存在し、動物の形態を模倣した格闘技(虎拳、蛇拳、猿拳、蟷螂拳など)や、様々な形の武器(器械)を用いるものなどがあり、力強く速い動作を主体にしたものから、柔らかく巧妙な技を使うものまで多彩な種類がある。太極拳はこれらの中国武術(WUSHU)の一種である。

 

 

健康上の効用

1 筋肉への効果

ゆっくりした意識的全身運動は、全身の筋繊維(特に下半身)を非常に 効率よく動員するので足腰の筋肉が強化される。

 

2 大脳への効果

太極拳の動作を支配するのは、大脳皮質の第4野(運動野)で
意識を介した太極拳動作により大脳皮質の血行が増加し、大脳は活性化される

 

3 内臓への効果

太極拳中は、身体の表部(筋肉)に血液は集まっているが終了すると反対に、内臓の活動を盛んにし、副次的に消化吸収を助長する

 

4 精神面の効果

太極拳を行うと、脳波にアルファー波が発生する。
またランニングハイ(走り酔い)と同じようなメカニズムでエンドルフィン(一種の体内麻薬/無害)が分泌され「気持ちよさ」を作り出すことにより精神面に良好な効果をもたらす。

 

5 減量の効果

太極拳のゆったりした動作で、脳内にセロトニンという食欲を抑える物質が作られるために、空腹感があっても練習後には消失している。

 

6 脊柱及び軟部組織への効果

太極拳の上下、前後、左右に無理なく動く全身運動は現代人の最も欠落している背骨の運動として非常に効果的である。

 

7 自己治癒能力への効果

心肺機能が増進し血液性状が良好に保たれる結果、自己防衛免疫機能も増え、病気にかかりにくく、かかっても回復が早い体質になる。

太極拳の特徴

本来は「柔よく剛を制し」、「小さな力で大きな力に克つ」ために、相手の力の大きさと方向を察知し、柔軟な動きで相手の力を外し、自分の力を最も合理的に使う高度な技法であり太極拳の練習をすることで心身をリラックスさせ、意識で身体の動きをコントロールする事ができる。また慢性病の治癒効果が著しいことから病後のリハビリ等にも用いられる事がある。或いは、健康、体力増進などから健康法(生涯スポーツ)として幅広い年齢層に広がっている。

 

 

競技スポーツ

精神を集中し、運動美を表現するスポーツの要素を備える型演武形式による、力と技と美を競うスポーツとして国際競技種目に定着している。 2008年北京五輪での競技開催に向け国際武術連盟や各団体が動いていた。
身近では各県での競技会(全日本予選)や全日本選手権、全日本競技会、ジュニア競技会、シルバー競技会や交流会(発表会)などが毎年各地で開催されている。

 

 

以上のように太極拳は『生涯スポーツ(健康維持等)』『競技スポーツ』の両分野で幅広い年齢層の愛好者、選手が参加し多面的な要素を持つスポーツである。